ヨガスペースを整えたら、部屋より心が整った、30代女性のインテリア施工記

「ヨガスペースを作ったら、暮らしが変わる」
正直、最初はそこまで大きな変化を期待していたわけではありませんでした。

今回ご紹介するのは、都内在住・30代一人暮らしのFさんのお部屋に、
“ヨガのためのスペース”を取り入れたインテリア施工記です。

Fさんは、以前からヨガに興味はあったものの、
・毎日続ける自信がない
・ヨガ専用の部屋を作るほどの余裕はない
・おしゃれさも、暮らしやすさも両立したい

そんな思いを抱えながら、
「ヨガスペースって、本当に必要なんでしょうか?」とご相談くださいました。

結果的に完成したのは、
“ヨガを頑張るための空間”ではなく、
自然と心が落ち着く、暮らしに馴染んだヨガスペース。

そしてFさんが口にされたのは、
「部屋が変わったというより、心の状態が変わった気がします」という言葉でした。

この記事では、

  • ヨガスペースを作る前のFさんの暮らし(Before)
  • 実際に取り入れたインテリアの工夫
  • 作りすぎなかった理由
  • 暮らし始めてからのリアルな変化

を、体験談ベースの施工記としてご紹介していきます。

「ヨガスペースのインテリアが気になっているけれど、
自分の暮らしに本当に必要なのか分からない」

そんな方にこそ、読んでいただきたい内容です。

目次

ヨガスペースのインテリアで「部屋より心」が整った理由

ヨガスペースのインテリアを整えたことで、Fさんの暮らしで最も大きく変わったのは、
部屋の見た目以上に「心の状態」でした。

これは感覚的な話だけではなく、
実は空間と心理状態の関係性は、複数の研究や専門媒体でも示されています。

ヨガのための空間を作ったのに、変わったのは気持ちだった

Fさんのヨガスペースは、
「毎日ヨガをするための専用空間」として設計されたものではありません。

・ヨガマットを敷いていない時間のほうが長い
・使わない日は、ただ静かに過ごす場所になる
・特別なことをしなくても成立する

そんな、用途を限定しすぎない空間として作られました。

Fさん自身も、施工後のヒアリングでこう話しています。

「ヨガをやる頻度自体は、正直そこまで増えていません。
でも、不思議と気持ちが落ち着く時間は増えました。」

この変化は、
インテリアの力が「行動」ではなく、
心理状態に直接働きかけた結果だと考えています。

毎日ヨガをしなくても、心地よさが続いた理由

この現象は、Fさん個人の感覚だけではありません。

例えば、
アメリカの環境心理学者ロジャー・S・ウルリッヒ(Roger S. Ulrich)は、
「人は視覚的に安心できる環境に身を置くだけで、ストレス反応が軽減される」
という研究結果を発表しています(1984年/Science誌掲載)。

また、『Harvard Health Publishing(ハーバード大学医学部公式メディア)』でも、

自然素材や落ち着いた色調の空間は、
副交感神経を優位にし、リラックス状態を促す

と紹介されています。

Fさんのヨガスペースでは、

・木素材を中心としたインテリア
・色数を抑えた落ち着いたトーン
・視線が抜ける配置

を意識しました。

結果として、
「ヨガをしない日でも、空間に身を置くだけで呼吸が深くなる」
という状態が生まれています。

インテリアが「行動」ではなく「状態」に影響した話

一般的な「ヨガスペースの記事」では、

・ヨガを習慣にする
・朝ヨガを続ける
・モチベーションを上げる

といった行動変化がゴールに設定されがちです。

しかし、今回のご依頼で改めて感じたのは、
インテリアは行動より先に「状態」を変えるということでした。

これは、
環境心理学(Environmental Psychology)の分野でも知られている考え方で、
人は環境から無意識に影響を受け、
その結果として感情や行動が変化するとされています
(参考:『環境心理学入門』/北大路書房)。

Fさんの場合も、

・ヨガを「やらなければいけないもの」にしなかった
・空間に戻るだけで整う状態を作った

ことで、
結果的に「心が整った」と感じる時間が増えました。

ヨガスペースは「頑張る場所」ではなく「戻る場所」だった

今回のヨガスペースづくりで、
最も大切にした考え方は、

「頑張るための場所ではなく、戻ってこられる場所にする」

という点です。

これは、Fさんのライフスタイルや性格、
30代一人暮らしという生活背景を踏まえた、
オーダーメイドのインテリア判断でした。

ヨガスペースのインテリアは、
ヨガのためだけのものではなく、
心の居場所として機能することもある

今回の施工は、その一つの実例です。

Before|ヨガスペースを作る前のFさんの暮らしと悩み

Before|ヨガスペースを作る前のFさんの暮らしと悩み
before 整っているが少し素っ気ない

ヨガスペースを取り入れる前、Fさんの暮らしは決して「乱れていた」わけではありません。
都内で一人暮らしをする30代女性として、部屋はきちんと整えられ、インテリアにも一定のこだわりがありました。

それでも、どこか心が落ち着かず、
「このままでいいのかな?」という感覚を抱えていたといいます。

ヨガに興味はあったけど、習慣にはなっていなかった

Fさんがヨガに興味を持ったきっかけは、
体調管理やストレス解消といった、ごく一般的な理由でした。

・YouTubeでヨガ動画を見てみる
・ヨガマットを買ってみる
・時間がある日に、思い出したようにやってみる

しかし、習慣として定着することはありませんでした。

Fさんは当時をこう振り返ります。

「やったほうがいいのは分かっているんです。
でも、忙しい日が続くと、どうしても後回しになってしまって…。」

この状況は、Fさんだけに限った話ではありません。

実際に、
『NHK健康チャンネル』
『Tarzan(マガジンハウス)』 などの健康・ウェルネスメディアでも、

運動やヨガが続かない理由の多くは
“意思の弱さ”ではなく
“生活環境とのミスマッチ”である

と繰り返し指摘されています。

Fさんの場合も、
「ヨガをやらない自分がダメなのではなく、
やりやすい環境が整っていなかった」
という状態だったと考えられます。

部屋は整っているのに、どこか落ち着かなかった理由

Fさんのお部屋は、ご依頼前からすでに整っていました。

・大きな散らかりはない
・家具の配置も機能的
・インテリアのテイストも統一されている

それにも関わらず、
「気持ちが休まらない」「切り替えができない」
という感覚があったといいます。

この違和感は、
環境心理学(Environmental Psychology)の視点で見ると、
非常に分かりやすい状態です。

たとえば、
『環境心理学入門』(北大路書房)では、

人は空間に「役割」や「意味」を無意識に求めており、
休息・回復のための場所が曖昧な場合、
心理的な緊張が続きやすい

と説明されています。

Fさんの部屋も、

  • 仕事をする場所
  • 食事をする場所
  • くつろぐ場所

すべて同じ空間の延長線上にあり、
「何もしなくていい場所」が存在していませんでした。

そのため、
部屋にいても気持ちが切り替わらず、
常に頭のどこかが動いている状態だったのです。

「ヨガ専用スペースを作るべきか」迷っていたポイント

こうした背景から、Fさんは
「リラックスできるヨガスペースを作りたい」
と考えるようになります。

しかし同時に、いくつもの迷いもありました。

・毎日ヨガをするわけではない
・専用スペースを作って使わなくなったらどうしよう
・一人暮らしの部屋で、空間を固定してしまっていいのか

この悩みは、
『Casa BRUTUS』『ELLE DECOR』 などの
インテリアメディアで紹介される
「理想的なヨガルーム」と、
自分の現実の暮らしとのギャップから生まれたものでもありました。

Fさん自身も、

「ヨガスタジオみたいな空間にしたいわけじゃないんです。
でも、何もしないのも違う気がして…」

と話しています。

つまりFさんが求めていたのは、

  • ヨガ専用の完璧な空間
    ではなく
  • 暮らしの中で無理なく成立する“心の余白”

でした。

この迷いがあったからこそ、
今回の施工では
「作りすぎないヨガスペース」という選択に繋がっていきます。

なぜ「作りすぎないヨガスペース」を選んだのか

今回のインテリア施工で、最初に決めた方針は
「ヨガ専用の部屋は作らない」ということでした。

一見すると、
「ヨガスペース=専用空間を作る」
という選択が正解に思えるかもしれません。

しかし、Fさんのライフスタイルや性格、
そして30代一人暮らしという現実を踏まえると、
“作りすぎない”という判断こそが最適解でした。

ヨガ専用部屋を作らなかった理由

Fさんとの打ち合わせで、最初に確認したのは
「ヨガをどれくらいの頻度で、どんな気持ちでやりたいか」
という点でした。

その中で明らかになったのは、

  • 毎日必ずヨガをしたいわけではない
  • ヨガを“努力”や“習慣化の義務”にしたくない
  • 気が向いたときに、自然に体を動かしたい

というFさんの本音です。

この考え方は、
『Tarzan(マガジンハウス)』
『ヨガジャーナル日本版』 でも繰り返し語られている、

ヨガは「継続の回数」よりも
「自分の状態に気づくこと」が大切

という思想とも一致します。

また、空間づくりの観点から見ても、
用途を一つに限定した部屋は、使われなくなった瞬間に“負担”になる
というリスクがあります。

これは
『住まいの設計』(扶桑社)
『I’m home.』 といった住宅・インテリア専門誌でも、

ライフスタイルの変化に対応できない空間は、
長期的に見て使われなくなる

と指摘されている点です。

Fさんの場合、
ヨガ専用部屋を作ることで
「使わなかったときの罪悪感」が生まれる可能性がありました。

そのため今回は、
あえて“専用”にしないという判断をしています。

暮らしの一角に溶け込ませることを優先した考え方

次に重視したのは、
ヨガスペースを暮らしの流れの中にどう組み込むかという点です。

Fさんの部屋では、

  • 仕事
  • 食事
  • くつろぎ

といった行為が、同じ空間の中で行われています。

このような一人暮らしの住環境では、
新しい行動は「わざわざ感」があると続きにくい
という特徴があります。

この点については、
『環境心理学入門』(北大路書房) でも、

人は日常動線から外れた行為ほど、
実行のハードルが高くなる

と説明されています。

そこで今回の施工では、

  • ヨガマットを敷く場所が、普段の生活動線から遠くない
  • ヨガをしない時も、違和感のないインテリア
  • 片付けなくても成立する空間

を意識しました。

これは、
「ヨガのための場所」ではなく、
「日常の延長線上にある場所」として
ヨガスペースを位置づけたということです。

結果としてFさんからは、

「ヨガをしようと気合を入れなくても、
なんとなくそこに座るだけで気持ちが切り替わる」

という言葉が聞かれました。

30代一人暮らしの現実に合わせたインテリア設計

30代一人暮らしの住まいは、
理想と同時に、現実的な制約も多く存在します。

  • 部屋数や広さに限りがある
  • ライフスタイルが今後変わる可能性が高い
  • 仕事や人間関係による心身の波がある

こうした背景を考えると、
空間に「固定された役割」を持たせすぎないことは、
非常に重要な視点です。

実際に、
『ELLE DECOR』『Casa BRUTUS』 でも、近年は

多目的に使える余白のある空間
心の状態に寄り添うインテリア

といった特集が増えています。

今回のヨガスペースも、

  • ヨガ
  • ストレッチ
  • 何もしない時間

すべてを受け止められるよう、
用途を限定しない設計としました。

これは、
「ヨガを続けられる人」になるための空間ではなく、
「今の自分を否定しないための空間」
を作るという判断でもあります。

Fさんの暮らしにおいて、
この“作りすぎないヨガスペース”は、
結果的に長く付き合えるインテリアになりました。

After|ヨガスペースのインテリアで実際に変わったこと

After|ヨガスペースのインテリアで実際に変わったこと

ヨガスペースのインテリアを整えたあと、
Fさんの暮らしに起きた変化は「ヨガをする回数が増えた」という単純なものではありませんでした。

むしろ印象的だったのは、
ヨガをしていない時間のほうが、空間の影響を強く受けていたという点です。

ヨガをしない日も、自然と深呼吸できるようになった

施工後のヒアリングで、Fさんが最初に口にしたのは、
意外にもヨガそのものではなく、こんな言葉でした。

「ヨガをしていない日でも、
あの場所に行くと自然と呼吸が深くなるんです。」

これは感覚的な話に聞こえるかもしれませんが、
実は環境と呼吸の関係は、医学・心理学の分野でも指摘されています。

たとえば、
『Harvard Health Publishing(ハーバード大学医学部公式メディア)』では、

落ち着いた色調や、視覚的な刺激が少ない環境は、
呼吸数を低下させ、副交感神経を優位にする

と紹介されています。

今回のヨガスペースでは、

  • 色数を抑えたインテリア
  • 木や布など、反射の少ない素材
  • 視線が遮られないレイアウト

を意識しました。

これにより、
「何かをしよう」と意識しなくても、
空間に身を置くだけで身体が緩む状態が生まれています。

Fさんの場合、
ヨガを“やる・やらない”に関係なく、
呼吸の質そのものが変化したことが、
最初の大きな変化でした。

部屋に「何もしなくていい場所」が生まれた

もう一つ大きな変化は、
部屋の中に明確な役割を持たない場所が生まれたことです。

施工前のFさんの住まいでは、

  • ソファ=くつろぐ
  • テーブル=食事や作業
  • ベッド=寝る

と、すべての場所にはっきりとした目的がありました。

一見すると効率的ですが、
この状態は常に「何かをしている自分」でいなければならず、
無意識の緊張を生みやすいと言われています。

この点について、
『環境心理学入門』(北大路書房)』では、

人は役割や目的が与えられた空間では、
無意識に行動モードに入りやすく、
心理的な休息が起こりにくい

と説明されています。

今回のヨガスペースは、

  • ヨガをしてもいい
  • 座ってぼーっとしてもいい
  • 何もしなくてもいい

という、用途を固定しない空間として設計しました。

その結果、Fさんの部屋には
「生産性」や「効率」から一度離れられる場所が生まれています。

Fさん自身も、

「何もしない時間を、
ちゃんと過ごしていいんだと思えるようになりました」

と話していました。

気持ちの切り替えが、インテリアでできるようになった

施工後、Fさんが感じていたもう一つの変化は、
気持ちの切り替えがスムーズになったことです。

これまでFさんは、

  • 仕事のあとも頭が切り替わらない
  • 家にいても、どこか緊張が残る

と感じることが多かったそうです。

このような状態については、
建築と心理の関係を扱う専門分野「環境行動学」でも、

空間に明確な“心理的境界”がないと、
人は役割の切り替えができず、
ストレスを引きずりやすい

とされています
(参考:日本建築学会 環境心理部門の研究事例)。

ヨガスペースは、

  • 仕事をする場所
  • 食事をする場所

とは視覚的・感覚的に少し距離を取ることで、
「ここに来ると、別のモードに入れる」
というスイッチの役割を果たしています。

Fさんは、

「ヨガをするためじゃなくても、
気持ちを切り替えたいときに自然とあそこに行く」

と話しており、
インテリアが感情の切り替え装置として機能していることが分かります。

このように、
ヨガスペースのインテリアによって起きた変化は、

  • 行動を増やすこと
    ではなく
  • 状態を整えること

でした。

次の章では、
こうした変化を支えた
実際に使用したインテリアアイテムについて、
具体的にご紹介していきます。

今回のヨガスペースで実際に使ったインテリアアイテム

今回のヨガスペースでは、
「ヨガをするためのアイテムを揃える」という考え方ではなく、
暮らしの中に自然に溶け込むインテリアを選ぶことを最優先しました。

その理由は、
ヨガをしていない時間のほうが圧倒的に長いからです。

これは、
『ELLE DECOR』『Casa BRUTUS』 などのインテリアメディアでも近年強調されている、
「用途を限定しない空間づくり」という考え方と一致しています。

以下では、実際に採用したアイテムを
役割ごとにご紹介します。

ヨガスペースのベースになった家具・配置

ヨガスペースの土台として最も重視したのは、
家具そのものよりも「何も置きすぎない配置」でした。

Fさんの部屋では、

  • 大きな家具をヨガスペースの中心に置かない
  • 視線が抜ける方向を塞がない
  • ヨガマット1枚分が無理なく敷ける余白を確保

という3点を基準にレイアウトを決めています。

この考え方は、
『住まいの設計』(扶桑社)
『I’m home.』 などの住宅専門誌でも、

空間の質は、置いた家具の量よりも
余白の取り方で決まる

と語られている設計思想に基づいています。

実際、Fさんのヨガスペースでは、

  • 低めの家具を選ぶ
  • 床面が広く見える配置にする

ことで、
ヨガをする時も、しない時も、
「何かをどかさなくても成立する空間」を実現しています。

Fさんからも、

「準備や片付けを意識しなくていいのが、
いちばん続いている理由かもしれません」

という声がありました。

空間の雰囲気を整えた照明・ラグ・ファブリック

ヨガスペースの印象を大きく左右したのが、
照明とファブリック類です。

今回、天井照明だけに頼らず、

  • 床に近い位置の間接照明
  • 光源が直接目に入らない照明

を取り入れました。

この手法は、
『Lighting Design』(照明学会)
『ArchiLighting』 などの照明専門媒体でも、

間接光は人の緊張を和らげ、
リラックス状態を作りやすい

と紹介されています。

また、床には

  • 毛足が短く、沈み込みすぎないラグ
  • ヨガマットを敷いても邪魔にならない素材

を選定しました。

これは、
『ヨガジャーナル日本版』 でも推奨されている、

安定した接地感は、ポーズの安定だけでなく
心理的な安心感にもつながる

という考え方を参考にしています。

ファブリックについても、

  • 色数を抑える
  • 天然素材に近い質感を選ぶ

ことで、
ヨガスペース特有の「ストイックさ」や「非日常感」を出しすぎないよう調整しました。

ヨガをしない時も違和感のない小物・収納

最後に意識したのが、
ヨガをしない時間帯の見え方です。

ヨガマットやブロックなどの道具は、

  • 見せる収納にしない
  • すぐ手に取れるが、視界には入りすぎない

というバランスを重視しました。

この考え方は、
『無印良品の収納設計』
『IDEA BOOK|収納特集(マガジンハウス)』 などでも語られている、

使いやすさと視覚ノイズの少なさを両立する

という収納思想に基づいています。

また、小物についても、

  • アロマやオブジェを置きすぎない
  • 「ヨガ感」が強いアイテムを多用しない

ことで、
日常のインテリアとしての違和感を排除しました。

Fさん自身も、

「ヨガをしていない時間でも、
ここだけ浮いて見えないのが気に入っています」

と話しており、
この点が“作りすぎないヨガスペース”を成立させる大きな要素となっています。

インテリアコーディネーター視点で見た、今回のポイント

今回のヨガスペースづくりは、
「ヨガができる空間を作ること」自体が目的ではありませんでした。

インテリアコーディネーターとして重視したのは、
Fさんの暮らしと心の状態に、この空間がどう作用するかという点です。

その視点から見て、特に重要だったポイントを3つに分けて整理します。

「ヨガのため」だけにしなかったことが正解だった理由

一般的なヨガスペースの紹介記事や実例では、

・ヨガ専用マット
・ヨガ専用収納
・スタジオのような空間演出

など、用途を強く限定した空間が多く見られます。

しかし今回の施工では、
あえて「ヨガのためだけの空間」にしませんでした。

この判断は、
『ELLE DECOR』『Casa BRUTUS』 などのインテリア専門誌で近年増えている、

住まいの中に、役割を固定しすぎない余白をつくる

という考え方をベースにしています。

また、建築分野では
日本建築学会・環境心理部門の研究においても、

特定用途に強く紐づいた空間は、
使われなくなった際に心理的な負担になりやすい

と指摘されています。

Fさんの場合も、

・毎日ヨガをするわけではない
・気分や体調によって過ごし方が変わる

という前提がありました。

そのため、
「ヨガをしない日=失敗」にならないよう、
ヨガ・ストレッチ・何もしない時間
すべてを受け止められる空間設計を選択しています。

結果的にこの判断が、
ヨガスペースを“特別な場所”ではなく、
日常の延長として定着させる要因になりました。

空間は「頑張るため」ではなく「戻るため」に作る

インテリアの役割は、
気分を高めたり、行動を促したりすることだけではありません。

むしろ現代の住まいでは、
「戻れる場所」を用意することの重要性が高まっています。

この考え方は、
**環境心理学(Environmental Psychology)**の分野でもよく知られており、
**『環境心理学入門』(北大路書房)**では、

人は安心できる環境に戻ることで、
自律神経のバランスを回復しやすくなる

と説明されています。

今回のヨガスペースでは、

・刺激の少ない色構成
・自然素材に近い質感
・視線が抜ける配置

を意識しました。

これらは、
**『Harvard Health Publishing(ハーバード大学医学部公式メディア)』**が紹介している、

視覚的刺激を抑えた環境は、
心拍数や呼吸を落ち着かせる

という知見とも一致しています。

Fさん自身も、

「気合を入れなくても、
ただそこに行くだけで気持ちが落ち着く」

と話しており、
この空間が“頑張るスイッチ”ではなく、
“戻るスイッチ”として機能していることが分かります。

同じ30代女性におすすめしたい考え方

今回の施工を通して、
同じ30代女性に特に伝えたいのは、

「理想の暮らし」を完璧に再現しなくていい
という考え方です。

インテリアメディアやSNSでは、

・毎朝ヨガをする暮らし
・整ったルーティン
・理想的な生活リズム

が魅力的に描かれがちです。

しかし、
『ヨガジャーナル日本版』
『NHK健康チャンネル』 でも繰り返し語られているように、

心と体のケアは、
できる日だけで十分意味がある

というスタンスのほうが、
長期的には続きやすいとされています。

Fさんのヨガスペースも、

・毎日使う前提ではない
・完璧なルーティンを求めない
・今の自分を否定しない

という考え方をベースにしています。

インテリアは、
自分を律するための装置ではなく、
今の自分を受け止めるための環境

今回の施工は、
その一つの現実的な答えだと感じています。

Fさんに聞いてみました|ヨガスペースと暮らしの変化(インタビュー)

今回のヨガスペースについて、
実際に暮らしているFさんに、改めてお話を伺いました。

noa

ヨガスペースを作って、一番変わったことは何ですか?

一番は、「気持ちの切り替えがしやすくなったこと」だと思います。

ヨガを毎日やっているわけではないんですが、
あのスペースに行くと、自然と一呼吸おける感じがあって。

仕事で疲れて帰ってきた日でも、
ソファに直行する前に一度立ち寄ることが増えました。

noa

正直、ヨガはどのくらいの頻度でやっていますか?

正直に言うと、週に1〜2回くらいです。

もっとやる人もいると思うんですが、
今はそれくらいが自分にはちょうどいいなと感じています。

前は「やらなきゃ」と思ってしまって、
結局何もしない、ということも多かったんですが、
今は「今日はやらなくてもいい」と思えるのが逆に楽です。

noa

このヨガスペースを「作ってよかった」と感じるのはどんな瞬間ですか?

ヨガをしていない時ですね。
何もしないで、ただ座っている時に
「あ、作ってよかったな」と思います。

noa

これからヨガスペースを考える人に、伝えたいことはありますか?

完璧なヨガスペースを作ろうとしなくていい、
ということを伝えたいです。

SNSで見るような空間じゃなくても、
自分が落ち着ける場所なら、それで十分だと思います。

ヨガを続けるためというより、
自分を大切にするための場所、
という感覚のほうが近いかもしれません。

まとめ|ヨガスペースのインテリアは「心の居場所」だった

今回の施工記を通して見えてきたのは、
ヨガスペースのインテリアは、ヨガをするためだけの空間ではない、ということでした。

Fさんのヨガスペースは、
毎日ヨガを続けるための場所でも、
理想の暮らしを演出するための装置でもありません。

ヨガをしない日でも、
ただそこに身を置くだけで呼吸が深くなり、
気持ちが少し整う。
そんな心の居場所として、暮らしの中に存在しています。

ヨガスペースのインテリアは、
自分を律するためのものではなく、
今の自分を否定しないための環境であっていい。

完璧に整えなくてもいい。
毎日使えなくてもいい。

大切なのは、
戻ってこられる場所が、部屋の中にあること。

この施工記が、
「ヨガ スペース インテリア」を考えている方にとって、
無理のない一歩を踏み出すヒントになれば幸いです。

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